今回はデマーカー(DeMarker)について検証していきます。
あまり使っている人はいないと思いますが、デマーカーはRSIと同じようなオシレーター系のインジケーターで、相場の過熱感を表示するものです。過去、相場の過熱感を示すオシレーター系の検証ではあまり好成績を出せたものはありませんでしたが、今回はどうなるでしょうか。
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デマーカーとは
デマーカー(DeMarker)は、トレンドの強さや反転の可能性を分析するために使われるオシレーター系のテクニカル指標です。デマーカーは移動平均と高値・安値を使用して計算されます。直近のローソク足と前のローソク足の高値・安値を比較し、その差を使って計算します。これにより、相場の強さが視覚化され、極端な変動があるときにその状態が反映されるようになっています。
- デマーカーの範囲:デマーカーは0から1の範囲で値を示します。一般的に、デマーカーの数値が0.7以上であれば相場が「買い過熱」状態、0.3以下であれば「売り過熱」状態とされます。
- 計算方法:デマーカー = DeMaxの合計 ÷ (DeMaxの合計 + DeMinの合計)
DeMaxは、現在の高値が前の高値よりも高い場合、「現在の高値 – 前の高値」、それ以外はゼロ
DeMinは、期間中の現在の安値が前の安値よりも低い場合、「前の安値 – 現在の安値」、それ以外はゼロ
計算方法は非常に分かりにくいですが、簡単に言うと一定期間で、高値を切り上げている割合と安値を切り下げている割合を算出して、高値を切り上げている割合が多ければ買い過熱、安値を切り下げている割合が多ければ売り過熱になります。
トレード戦略
デマーカーは、0.7以上で買い過熱、0.3以下で売り過熱としてトレードするのが一般的ですので、今回も以下の通りのトレード戦略で検証を行っていきます。
買いエントリー:デマーカーが0.3を上回った場合
売りエントリー:デマーカーが0.7を下回った場合
検証の前提
検証はMT4のEAを利用して行います。(MT4はメタトレーダー4というソフトで、一定のロジックに基づく自動売買のバックテストができます。EAはエキスパートアドバイザーでMT4の自動売買プログラムのことです。興味がある方はこちらからダウンロードしてみてください)
テスト条件は以下の通りです。
- 検証期間:2019/01/01 – 2024/09/30
- 通貨ペア:ドル円
- 初期証拠金:10,000ドル
- 取引ロット:0.1
- デマーカーの期間:14
- タイムフレーム:5分、15分、30分、1時間、4時間、1日
- 買いエントリー条件:デマーカーが0.3を上回ったら買いエントリー
- 売りエントリー条件:デマーカーが0.7を下回ったら売りエントリー
- 決済条件:エントリー価格に0.5%を乗じた額をエントリー価格の上下に設定し利確、損切りラインとする(例:エントリー価格が100円の場合、100円×0.5%=0.5円のため、利確ラインは100円+0.5円=100.5円、損切りラインは100円-0.5円=99.5円)
- 備考:エントリー判定はローソク足が確定した段階で行います。また、保有ポジションを決済するまで次のポジションは持ちません。
検証結果
検証結果は以下の通りです。すべての時間でマイナスとなりました。。。
- 取引数:テスト期間に発生した総取引数。エントリーから決済で1つとカウントします。
- 勝率:勝トレード数 ÷ 総トレード数
- 純益:最終利益額
- PF(プロフィットファクター):総利益 ÷ 総損失。PFが1以上であれば、トレード全体として利益が出ていることを意味し、1未満であれば損失になっていることを示します。目安としては1.5以上が良いでしょう。
- 期待利得:総損益 ÷ 総取引数
- 最大DD(ドローダウン):資産価値がピークからどれだけ下落したかを示します。具体的には、トレード期間中で最も大きな累積損失(資産価値の減少幅)を測定します。最大DDは、投資やトレードにおいて資金が一時的にどの程度減少する可能性があるかを理解するのに役立ちます。
散々な成績でした。これまでRSIなどの過熱感を示すオシレーター系のインジケーターで逆張りを行っているとほぼほぼうまくいかないという結果でしたが、今回も非常に残念な結果になりました。勝利率も48% – 49%で中途半端に安定していインジケーターとしてはほぼ無意味といえるのではないでしょうか。
月別の損益について見てみますが、同じような成績だったので1時間を例に月別損益を見てみます。1時間の成績は、2023年以外すべてマイナスでした。ここまで安定してマイナスだとドル円に関しては使わない方が良いですね。
まとめ
今回のまとめです。
- デマーカーで利益を出すのは難しい
- デマーカーの得意なタイムフレームはない
- 勝率も48% – 49%なのであえてデマーカーを利用する利点はない
デマーカーは計算式はやや複雑ですが、高値安値をどれだけ更新しているかで相場の過熱感を判断するという考え方のシンプルなインジケーターでした。個人的にインジケーターはシンプルな方が良いと思っていますので期待したのですが、残念な結果でした。
注意:今回の結果は特定のパラメータ、期間等による結果であり将来においても結果を保証するものではありません。投資は自己の判断で実施してください。
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