月曜日の窓埋め理論は有効かデータ検証【おすすめ度:80%】

検証

今回はゴトー日アノマリー検証に続く月曜日の窓埋め理論(窓開けとも言う)というアノマリー検証です。
開いた窓は埋めるというアノマリーを聞いたことがある人も多いと思いますが、週末を挟んだ月曜日は窓が開きやすい傾向があるため、月曜日の窓埋め理論の有効性を検証したいと思います。
ゴトー日アノマリーは好成績でしたので月曜日の窓埋め理論にも期待したいです。

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月曜日の窓埋め理論とは

月曜日の窓埋め理論とは、月曜日の始値が前週金曜日の最安値を下回り、チャート上に「窓」が開いた場合、価格が元の水準に戻る「窓埋め」を狙って買いエントリーを行う手法を言います(売りの場合はこの逆になります)。

窓が埋まる理由

利益確定や損失回避の売買: 急激な価格変動により、投資家は利益確定や損失回避のために反対売買を行います。例えば、価格が急上昇した場合、利益を確定するための売り注文が増加し、価格が下落して窓を埋める動きが生じます。

市場の過剰反応の修正: 新たな情報や材料に対して市場が過剰に反応し、価格が一方向に大きく動くことがあります。その後、冷静な判断が戻り、価格が元の水準に近づくことで窓が埋まります。

テクニカル要因: 投資家の多くがチャート上の窓を意識し、窓埋めを狙った売買を行うことで、実際に窓が埋まる動きが促進されます。

月曜日に窓が開く理由

月曜日に「窓開け」が発生するのは、週末の間に市場が閉まっている間にも為替レートが変動するためです。特に、土日に大きなニュースや出来事があると、週明けの月曜日に前週金曜日の終値と大きく異なる始値で取引が開始され、「窓」が開く現象が起こります。

トレード戦略

トレード戦略は、窓が上に開いたら売りエントリー、窓が下に開いたら買いエントリー、窓が埋まれば決済です。

エントリー

  • 上窓の場合(月曜日の始値が前週金曜日の終値より高い): 売りポジションを検討します。
  • 下窓の場合(月曜日の始値が前週金曜日の終値より低い): 買いポジションを検討します。

利益確定

  • 価格が窓を埋める動きを見せた場合、適切なタイミングで利益を確定します。

下図は、下窓の買いエントリー・決済の例です。月曜日の窓開けた始まり値で買いエントリーして、金曜日の最安値で決済する感じです。

検証の前提

テスト条件は以下の通りです。

  • 検証期間:2019/01/01 – 2024/11/30
  • 通貨ペア:ドル円
  • 初期証拠金:10,000ドル
  • 取引ロット:0.1
  • 窓の間隔:10pips、20pips、30pips、40pips、50pips
  • 買いエントリー条件:月曜日の始値が前週金曜日の最安値よりも下回り、チャート上に窓が開いた場合、買いエントリー
  • 売りエントリー条件:月曜日の始値が前週金曜日の最高値よりも上回り、チャート上に窓が開いた場合、売りエントリー
  • 決済条件:利益確定は窓を埋めた場合(買いの場合は金曜日の最安値、売りの場合は金曜の最高値)。損切りラインは設定しない。
  • 備考:未決済ポジションがあっても条件に合致すれば次のポジションを持ちます。

検証結果

検証結果は以下の通りです。なんとすべての窓が埋まりました

  • 取引数:テスト期間に発生した総取引数。エントリーから決済で1つとカウントします。
  • 勝率:勝トレード数 ÷ 総トレード数
  • 純益:最終利益額
  • PF(プロフィットファクター):総利益 ÷ 総損失。PFが1以上であれば、トレード全体として利益が出ていることを意味し、1未満であれば損失になっていることを示します。目安としては1.5以上が良いでしょう。
  • 期待利得:総損益 ÷ 総取引数
  • 最大DD(ドローダウン):資産価値がピークからどれだけ下落したかを示します。具体的には、トレード期間中で最も大きな累積損失(資産価値の減少幅)を測定します。最大DDは、投資やトレードにおいて資金が一時的にどの程度減少する可能性があるかを理解するのに役立ちます。

取引数が少ないため確率的に安定しているかわかりませんが、少なくとも2019年以降はかなり有効な手法なのかもしれません。窓間隔が10pipsのケースが一番成績が良かったですね(10pipsの開きを窓というには少し小さいかもしれませんが)。

10pipsの損益を見ていきましょう。

取引回数が少ないため全く取引がない月が半分近くあるようです。窓の間隔が10pipsだと大きな窓開けではないと感じますが、月曜日といえども10pipsも窓が開くことは多くないようです。

ただ、注意点もあります。
今回は月曜の窓埋め理論の有効性を見るために損切りラインを設定しませんでした。そのため、決済時点ではプラスだが、ポジション保有中に大きな含み損を抱えるものがありました。最大の含み損は、一つのトレードで約600pipsくらいのものがありました。通常のトレードで600pipsも含み損を抱えてホールドできるメンタルの人もなかなかいないと思います。
もっと長期でテストすれば価格が戻らないで含み損を解消できないケースもあると思いますので、実用運用する際は損切りラインの設定が必須になりそうです。

また、月曜日の始まり値直後でエントリーしていますが、この時間帯は取引が乏しくスプレッドが大きく開いている可能性もあります。広いスプレッドでエントリーした場合は今回の検証結果より悪い成績になります

まとめ

まとめです。

  • 月曜日の窓埋め理論で利益を出すことは可能
  • 損切りラインの設定次第では勝率100%も可能
  • 実運用では損切りラインを設定しないと破綻する可能性もある

ゴトー日アノマリー検証に続くアノマリー検証でしたが、好成績を出すことができました。勝率100%は出来すぎに感じますが、損切りラインを設定しなかったことによるギャンブル性があるものでした。実運用するなら損切りを必須にしなければ、リーマンショック、震災等の大きな変動に耐えれなず破綻しかねないので気を付けましょう。

注意:今回の結果は特定のパラメータ、期間等による結果であり将来においても結果を保証するものではありません。投資は自己の判断で実施してください。

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